基礎から実践・応用・臨床まで、心理学の諸分野を幅広く学びます。まず、文学部の一員として人間・社会・文化へのまなざしを大切にして、多様性と個性を尊重し、倫理観と判断力を養います。そのうえで、心理学の知識と技能を身につけ、現実の人間・社会・文化に対して自ら問いを立て探究します。それらを通して、心理学による生活実践、社会・産業応用、教育・福祉・臨床のための基礎となる科学的方法を学びます。
文学部での学びにおいて、心理学の隣接諸領域(教育学、社会学、芸術・身体文化論など)をはじめ、文学や言語学、地理学や歴史学など、人間に関わる多様な学問に触発されることでしょう。もちろん、本コースでは、公認心理師資格関連の学部専門科目も履修できます。大学院博士前期課程に進み所定の科目を履修することで、公認心理師国家試験受験資格を得ることができます。
- POINT.01
幅広い学びから
それぞれの実践を
志向する文学部において人間、文化、社会への課題意識を持ち、企業・官公庁の一般職から教員や公認心理師などの専門職までの志望に応じて、幅広く心理学を学びます。
- POINT.02
証拠に基づく
理論化と個別化で
多様性を尊重する人間が生きることの理論化(一般化)つまり研究と、多様性と個性の尊重つまり臨床を、実証と実践を通して学びます。
- POINT.03
自ら考え確かめ、
対話し協働する心理学諸分野の知見を学ぶと共に、自ら問題・課題を発見し、研究を計画・実行し、分析と考察を授業での対話と協働を通して行います。
スタッフと研究分野
カリキュラムについて
授業科目は大きく【概論】【実習】【演習】【特殊研究】に分かれています。
-
概論
心理学全般を研究の歴史から学び、人間の心と行動について社会、発達、教育の観点から見ることを学びます。
心理学概論、社会・集団・家族心理学、発達心理学、教育・学校心理学など -
実習
心理学の実験法、観察法、調査法、面接法、検査法を実習することで学びます。
心理学実験、心理学測定検査法実習、心理実習(公認心理師資格関連科目)など -
演習
学術論文を履修生自身で読解し批判的に検討します。研究テーマ、知見や理論、研究方法、論文の書き方を学ぶとともに、課題・問題の発見そして研究につなげます。
心理学研究演習、心理学文献演習、心理学卒業演習など -
特殊研究
心理学の諸分野の具体的な研究内容、研究方法、蓄積された知見を学び、それらの活用と自らの探究につなげます。
知覚・認知心理学、学習・言語心理学、対人心理学特殊研究、子ども心理学特殊研究、臨床心理学特殊研究、発達臨床心理学特殊研究、福祉心理学、障害者・障害児心理学、産業・組織心理学、心理学研究法、心理学統計法など
公認心理師については、コースのページをご覧ください。
卒業論文の例
- 生き物刺激における単純接触効果の検討
- 歴史的ノスタルジアに文化的連続性と体験の共有性は関連するか―画像から喚起されるなつかしさ感情による検討―
- 幼児期における情動理解の発達
- 保育者の言葉かけが他児への評価に及ぼす影響―逸脱行動が生起する文脈の差異に着目して―
- 教師のかかわりが共同学習場面における学習者の主体性に与える影響
- 制御焦点が大学生の自己調整学習方略に及ぼす影響
- 成人の愛着スタイルが恋愛における嫉妬傾向に及ぼす影響
- 新型コロナ禍における大学生の大学適応感に関する研究―友人関係のあり方に着目して―
- ストレスマインドセットが対人葛藤場面における自己主張行動と感情に及ぼす影響
- 自己制御ニーズに着目したサポートの有効性についての検討
さまざまな分野で
活躍する卒業生たち
卒業後の進路は、専門職(心理職・福祉職)だけでなく、官公庁や一般企業の総合職など多様です。幼稚園から高校までの教員や家庭裁判所調査官に就く人もいます。一般企業では、サービス・インフラ(人材、教育、医療・福祉、調査など)、ソフトウエア(通信やインターネットを含む)、金融、小売(百貨店など)に就職する人がほぼ毎年度います。広告・出版・マスコミやメーカー(研究職・開発職を含む)で活躍している人たちもいます。
大学院進学する学生は毎年度3分の1ほどいます。それは主に公認心理師の資格試験を受験するためですが、幼稚園・小学校教員や中学高校社会科の専修免許状取得、そして、研究職を目指す人もいます。